カンヌライオンズ7日目のレポートをお送りします。クアドラのエンジニア、高橋綾乃です。
この日は、新設されたライオンズエンタテイメントのセミナー・授賞式に参加しました。
会場内は、ここ数日間と比べるとやや人が少なめでした。
日中は、エンタテイメントのセミナーに参加しました。
UKの音楽ユニット、Massive Attackのマネージャーの方のセミナーや、
2016年のグラミー賞を受賞したDJのMark Ronsonのトーク、
メディアエージェンシーのMECによる、ブルースロックバンドBroken Witt Rebelsのプロモーションについてのセミナーなど
(Broken Witt Rebelsというバンドのライブも行われました。炎天下の野外ライブ、もはや夏フェスのようでした)
エンタテイメントというだけあり、音楽やタレント、インフルエンサーなど、華やかなトピックが多く語られます。
講演を聞く中で一つ感じたのは、『Spotify』の存在感。
ヨーロッパやアメリカで音楽関係のプロモーションでは必ず名前の挙がるSpotify。日本への本格上陸はいつになるのでしょうか?
また、同じく音楽サービスの『Shazam』の名もよく聞きました。
日本ではまだ「曲名を調べるアプリ」の認識が多いかと思いますが、海外では音楽認識だけでなく、その情報をランキング表示させたりシェアしたりするsnsとして注目を集めているようです。
こちらも本格的に日本で機能するようになれば、無視できない存在になってきそうです。
夜はライオンズエンタテイメントの授賞式が開催されました。
エンタテイメント部門のグランプリは『THE DISPLACED』。
こちらの施策はモバイル部門でもグランプリを受賞しています。
『THE DISPLACED』
-国:アメリカ/THE NEW YORK TIMES/VRSE.WORKS
※アワードムービーはこちらからご確認ください。
New York TimesとGoogle!ビッグネーム2社だからこそ受賞できたのかな、と思います。
「ニュースというメディア + VR体験」は、コンテンツとテクノロジーが綺麗に融合しており、まさに未来を感じる施策です。
また、同時に発表されたエンターテイメントフォーミュージック部門では、2つの作品がグランプリを受賞しました。
『FORMATION』
-国:アメリカ/BEYONCÉ/PRETTYBIRD
『HOME FOR CHRISTMAS』
-国:アメリカ/EDEKA ZENTRALE & CO. KG/JUNG von MATT
※アワードムービーはこちらからご確認ください。
ビヨンセのMVは圧倒的なかっこよさ、且つコンセプチュアルな内容となっており、アメリカの社会問題を示唆する内容が見受けられます。
例えば、近年問題になっている白人警官による黒人の射殺や、ニューオーリンズがハリケーン・カトリーナによって被害を受けた際、車を持たない黒人貧困層が多く犠牲になったことなどが暗示されています。
ビヨンセほどの世界的スターが発信する作品は、社会への影響も莫大です。
エンタテイメントの権化ともいえるビヨンセが、メッセージ性ある作品を発表することで見事にグランプリを受賞しました。
(余談ですが、このMVでビヨンセが着用している衣装の総額は約1000万円ほど、だそうです...)
また、個人的に気になった受賞作品は、Massive AttackのMV『Voodoo In My Blood』です。
かの有名な映画『ポゼッション(1981)』の有名な地下鉄シーン(※怖いのでご注意ください)をオマージュしたこちらの作品。イケてます。
はじめてのエンターテイメントフォーミュージック部門は、動画作品の受賞が多くみられました。
来年はいったいどんな作品が受賞するのでしょうか。
多くの人々は、根本的に「エンタテイメント」と呼ばれるものには魅力を感じるはずです。
そして、できるだけたくさんの人を動かす物を作成するという意味で、広告を「エンタテイメント」にまで昇華させるのも、広告人の仕事であると思います。
引き続き、動向を探っていきたいと思います。