【CANNES LIONS 2016速報】 PRODUCT DESIGN部門 結果
2016.06.22
現地時間21日19時、PRODUCT DESIGN部門の受賞者発表が行われました。
【PRODUCT DESIGN部門 2016 Winner】
グランプリ:『JACQUARD』
-国:イギリス/GOOGLE/GOOGLE CREATIVE LAB
▼日本からの受賞作品
- ゴールド:『NAMELESS PAINTS』
-KOKUYO/TOHOKUSHINSHA FILM CORPORATION
グランプリ:『JACQUARD』
【和訳※誤訳、ご了承ください】
Project Jacquard 創始者 Ivan Poupyrev 氏
「テキスタイルのいいところは、その構造が、私たちが日ごろから使うスマホやタブレットとタッチパネルと同じだということです。つまり、何本かの糸を導電性のものに替えるだけで、携帯のタッチパネルみたいに、単純なタッチの動きを認識するテキスタイルを織ることができるのです。もしマテリアルに機械を隠して織り込むことができれば、マテリアルや衣類にコンピューターを埋め込む最初の一歩となります。これは、とても楽しみなことです。私たちがジャカードヤーンを作るにあたって直面した問題は、導電性が高く、且つ大量生産できる―つまり世界中の工場にある織り機で使えるものを作ることでした。」
Project Jacquardテキスタイル開発&パートナーシップリーダー Shiho Fukuhara氏
「世界中のテキスタイルデザイナー、ファッションデザイナー、家具デザイナーにとっては、普段から慣れ親しんでいるものだけに、おもしろいなと。単なるテキスタイルなんですから。私たちは、糸をものすごく細く、自然な感触に仕上げたので、見た目ははただの糸と変わりありません。ただ一つ違うこと、それは導電性があるということです。私たちは世界中のテキスタイルデザイナーと仕事します。どんな新しい可能性があるか考えることはとてもおもしろいです。このように、とてもわかりやすく目に見えるものにもなりますし、まったく見えないものにもなりうるのです。あらゆる織りの技術を組み合わせて、あらゆる可能性を生み出せます。デザイナーはそれを自由に選び、彼らのクリエイティビティ次第で何でもできます。」
Project Jacquard調査&開発リーダー Nan-Wei-Gong氏
「私たちは、全ての内部システムのパーツを、ボタン大に縮小することに向けて努めています。最終的には、生産工程内で埋め込めるくらい小さなものになる予定です。ですので、ユーザーは見えも感じもしません。」
Google Creativeラボ Creativeテクノロジスト Joao Wilbert氏
「Jacquardが、私たちの着る服の中に混ぜ込まれたインターフェイスとなるということは、スマホのサービス、製品、アプリのように使えるようになるという意味を含んでいます。そこにテクノロジーなんてないように、縫い目のない自然なインターアクションが可能となるでしょう。」
Project Jacquardデザインリーダー Carsten Schwesig氏
「このテクノロジーに何ができるかは、ユーザーとデザイナー次第で、私たちはユーザーがどれだけ自分好みに作り替えられるか期待しています。"ソフト開発"と"ファッションデザイン"は普段ならば交わることのない分野です。それぞれの分野の人がコラボしやすいよう、こちらはソフトウェアとハードウェアの知識といったツールを準備するつもりです。」
(Project Jacquardの生地を使う人々の声)
Levi Strauss & Co. シニアディレクター、テクニカルイノベーション担当 Bart Sights氏
「そんなに変わらない代表的な製品があるということは大切なことなのですが、世の中は変わっていきますので、Jacquardはブランドにとって、デザインにとって、未来への扉を開くとてもよいきっかけとなってくれると思います。」
Savile Row*にあるテイラー Nick Hammond氏 *背広の語源ともなった、テイラードで有名な場所
「テーラリングでは、200年前から変わっていないメソッドを使います。ですので、何か新しいことに出会いますと、わくわくします。このプロジェクトの目を見張るところは、エレクトロニクスについても、どんな仕組みで動くのかもわからなくていいところです。どんなものができるか楽しみです。」
Jacquardはデザイナーや開発者にとって、白紙のキャンバスです。まだ始まったばかりです。これが、どんな風に使われていくのか見るのが非常に楽しみです。
シルバー:『NAMELESS PAINTS』